バックホーンを好きな理由
昨日、イブに夫と音楽を聞いて和んでいたら、暗めのバンドの音楽が流れた。
「このバンド陰鬱だから、好きになるかもよ」と言われて
え〜ならないなと思った。
私はバックホーンが暗いから好きなんじゃない。
だからまた夫に説明した。
疲れすぎて病んでしまい、人の話す言葉が分からなくて。
テレビも何を言っているか分からなかった時のこと。
耳が聞こえないおばあちゃんのように人の言っていることをなんとなくで聞き、なんとなくで答えていた。
ガラケーを見るのもうんざりだったけど触らないと社会から弾き出される。
確か、会話するよりは楽だった。
何度でも確認できるから。
意思の疎通ができないと、人の1日はすごく長い。
日が暮れて、人と会わなくてよくなるとホッとした。
そこからは自分の部屋で音楽を聞いて過ごすのがその頃のお決まり。
「空、星、海の夜」をエンドレスで流した。
なぜか「空、星、海の夜」だけは頭に意味が通じた。
そして安心させてくれた。
私のただ一つの味方だった。
昔から変わらない夕日が暮れて、暗くなって虫が鳴く。
世界は何も変わらない。
おかしくなったのは私だけ。
皮膚が痛くなるほど辛かった。
あの時の辛さを癒してくれたのはあの曲だけだった。
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私は「空、星、海の夜」からバックホーンを知ったから、他の曲の激しさに初めて触れた時はちょっとだけびっくりした。
でもすぐに納得した。
心が柔らか過ぎて、この人たちは激しく吠えるんだって。
私は傷つくと1人で抱えて内へ内へと仕舞い込むけど、外に外に出そうとするとこんな表現になるんだなって。
手段が違うだけで、自分と同じだと感じた。
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私はバックホーンが“陰鬱““激しい“から好きなんじゃない。
理屈じゃないところで、あの人たちにしかない魅力があるから好きだし、必要。
生きてきた道も違ったりするけど、「自分と同じ」だと思う。
ずっと思ってる。
これからも変わらない。